ゆっくりさよならをとなえる

本を読むのはわりと好きだけれど、集中力がないので一冊を一気に読むということが最近なかなかできない。
それでいて興味をもった本はとりあえず買ってしまうので、だいたい平行して3〜4冊をちまちまだらだらと読むはめになる。
最近は川上弘美川上未映子のエッセイ、内田百閒の随筆集を平行して読んでいる。

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)


人生が用意するもの

人生が用意するもの


百鬼園随筆 (新潮文庫)

百鬼園随筆 (新潮文庫)

どれもものすごく面白い。単純に声に出してわはわは笑ってしまう面白さ。
そんなに面白いならついつい一気に全部読んでしまいそうなものだけど、いつも1〜2編で満足する。
そしてまた明日読もうという気になる。

その中で、一番はじめに紹介した川上弘美著/ゆっくりさよならをとなえる の中にある「海」という話がとても印象に残った。
著者が「大きな翼のある、ひどく年取った男」という小説を読んだ後に思ったことについて。

二回読んで、するとやはり私もいつか死ぬのだと、唐突に思った。
物語の中でそのようなことが説明されていたわけではない。
自分がいつか死ぬということをおりおり思わなかったわけでもない。
うすうすとは誰もが思うことである。
しかし、いつものうすうすとした思いとは違う、重く迫ってくるような、ああやはりそれは避けられないものなのだというずっしりとしたものが、きた。

こんな風に死についてふと思う瞬間ってあるけれど、それが大げさでもなく、軽く流す感じでもなく淡々と書かれていて、当たり前のことなのに衝撃的だった。
あの感覚が自分だけのものではなかったという安心感で少しだけ救われた気がする。
そして、信仰している宗教なんかがあればもう少し違っていたのかもしれないなあとも思った。

最近見た映画「レ・ミゼラブル」なんかを思い出すと、なんていうか信仰あってこその人生、
それを心の拠り所にして生きていく!みたいな情熱・パワーみたいなものがガンガンあって圧倒されたのだった。
ラストシーンなんかは、きっと神を信じているものにしか見られない光景なんだろうなあ。
川上未映子著「十三月怪談」を読んだ時に、私もこのままいけば天国も地獄もなくてただただ無の状態か、自分の空想や妄想の中をふよふよと漂い続けることになるのではないか、とか思ったり。
いくらでもどんな風にでも作り出せてしまいそうな死後の世界について考えだすとずっとぐるぐるしてしまう。

それにしても「レ・ミゼラブル」大変良かった。
あ、そこも歌うんや…って思う場面もありましたが。
とにかくジャベールさんがかっこいい。あの渋さたまりません。
そしてなんとなく泉鏡花の「夜行巡査」に出てくる八田巡査と重ねて見てしまった。

2012年振り返り

大したことは書いてない上に無駄に長い2012年振り返りです。

1月

元旦に映画けいおんを見に行く。
ナイトショーに一人で行くのは初めてだったのでどきどきした。
東京事変解散のニュースにわななく。
友人の結婚式二次会に参加するけど本人不在。体育会系の男性陣にわななく。
能面に似ていると言われる。

2月

会社の女性たちとチョコレートフォンデュする。
AT-X契約する。外に出ない要因が増える。
なんでやねんと東京事変の解散ライブに行く。まさかの最前列。感謝。
親知らず抜歯。

3月

モノリスの称号を得る為に躍起になる。
アスタルテ書房に初めて行く。
大森南朋氏の結婚ですべてのやる気をなくす。
百人一首が流行る。

4月

異常気象。みんなで窓辺から荒れきった空を見る。
その後嘘のように晴れる。会社の前の桜が綺麗。

はてなアルバムのいろいろ。リア充ぶる。
花見行くけどあまり咲いていなかった。
辛酸なめ子が連日夢に登場。

5月

母から「子どもの日おめでとう」という謎のカードが届く。

兵庫県立美術館へ行く。
建仁寺に行く。なんでやねんが出張カフェで働いていた。
からふね屋のジャンボパフェを食べに行く。
もえみき氏と会合。

6月

全体的に暑いし梅雨だし元気無くなり始める。
六波羅蜜寺に行く。
ココアシガレット食べ過ぎて中毒みたいになる
同僚から勧められた金閣寺を読み始める。「もう燃えた?」と会う度に聞かれる。
夢日記書き始める。
悩み事を友人に相談しても「大丈夫?小町で相談しなよ。」とかわされる。
いとこ(小6)に宿題が難しくて何も手伝えず。8/5リットルのジュース?

7月

小川洋子さんのサイン会へ行く。名前を褒めていただく。歓喜。
小室ファミリーの良さに気付く。
ゲームで負けて泣く。
もえみき氏と会合。浴衣を着てかき氷を食べる。
誕生日。お祝いしていただく。

8月

風邪をひく。リビングに布団をしいてゲームする。
チョコミントアイスよりサクレの方が好きかもしれないと気付く。
一瞬涼しい日があってテンションあがる。
でもやっぱり暑くてうだうだする。キリンジを聞いてやりすごす。
女子の「おしゃれ坊主」という存在を知る。

9月

わんわんワールドを初めて使う。皇居でわんわん言いまくる。
ココロコネクト事件。
養老天命反転地に行く。思った以上にハードだし、暑くてふつうに死ぬと思った。
フーバーオーバー解散を知ってわななく。
ゆいこさんが京都に来てお話する。
もえみき氏と会合。古き良き喫茶店へ行く。台風。

10月

涼しくなってきて元気になってくる。
コーラをひたすら飲む会をする。
風邪をひく。

11月

母とさんさかへ行く。
ゲーム会のお手伝い。
ディプロマシーやる。人間不信になりそうになる。
芸術散歩2012に行く。

12月
どうぶつの森にはまる。
慌てて紅葉を見に行く。まだ綺麗だった。
クリスマスにアメリを見る。

なんだか本当にどうでも良いことばかりで、もうちょっとなんかあったかもしれないと思う。
でもやっぱりないような気もする。
なんだかんだで幸せだったし、特にツラい時に話を聞いてくれた友人には感謝感謝。
来年も笑って過ごせるといいなあ。

芸術散歩2012

どんどん涼しくなって、気付けば待ち望んでいた秋がやってきた。

ようやく外に出る元気も出てきたので、去年に引き続き*1六甲山の芸術散歩2012に行ってきた。

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2012|六甲山ポータルサイト ROKKOSAN.COM

簡単にいえば六甲山の山頂付近を散歩しながら芸術作品を鑑賞するというイベント。

少し大げさかなというくらい暖かくて動きやすい格好で行ったのに、六甲山着いた途端、想像以上の寒さに驚く。
髪の毛は容赦なく逆立ち、渦を巻き、散り散りになっていきそうな強風。
なおかつその強風の冷たいこと。山をなめてはいけなかった。

そんなこんなで奥歯をがちがちいわせながらの鑑賞となったけど、展示された作品はどれもとてもすばらしかった。

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図鑑から飛び出した蝶蝶
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洗濯バサミ集合してる
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小さな小さな街灯
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去年造花が植えてあった地帯はかくかくゾーンになってた
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こっち見てる
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霧がつくる輪郭 。実際は透明な糸。間近で見るととても綺麗。
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自然の中に唐突に作品が現れるのが本当にびっくりおもしろい。
たくさんの作品を見ていると、何でも無い木とかに対して「はっ、これも芸術作品なのでは…」と深読みしてしまったりしてそれもまたおもしろい。

途中、歩きつかれて植物園の中にあるベンチに座った。
そこからの景色が秋をそのまま切り取ったように綺麗で、寒いのも忘れてしばらく見ていた。

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時間が足りず、すべての作品は残念ながら鑑賞できなかったけど、自然と作品の両方を鑑賞できて本当によかった。
来年も行きたいなあ。

*1:去年の記事: http://mayutsuba0874.hatenablog.com/entry/20110925/1318605184

 ここ数年間、夏にはできるだけ外に出ない生活を続けていたせいか、ちょこちょこ出かけるようになった今年になって初めて夏の厳しさを痛感している。

会社に行って帰るだけで少し疲れ、外に散歩でも、と出かけるにもまとわりつくような熱気にうんざりし、頭はなんとなくぼんやりするし(それはいつもかもしれない)、

あたたかいコーヒーを飲もうという気にもなれないしでふさぎこんでしまう。

私の好きなの歌の中に「さみしい時にはほらあったかいコーヒーをどうぞ」という歌詞があるのだけど、こんな状況だとさみしくなったらどうすればいいのかと途方にくれる。

自分でもちょっと大げさではないか、と思うけれどそれくらい夏が苦手。

昔は一番好きな季節だったのに。

そもそも夏はこんなに暑かったのか。という疑問。

涼しくなるのはいつ、陽が短くなるのはいつ、とネットの情報を見てはぐるぐるしている。

 

数日前、ちょうど立秋の日あたりに噓みたいに涼しい日があってハッとなる。

ハッとして散歩する。これは秋だと感じる。嬉しくて心の中で小躍りする。でも今までの人生経験上、まだ秋ではないということはわかっている。

このまま秋になればどんなにいいだろう、と思いながら少し遠回りして帰る。

涼しいと色々はかどるしいつもより機嫌がいい。受け答えもハキハキしてくる。

 

でも深呼吸すると秋ではなくやっぱり夏の匂いがした。

夏の夜の匂いをかぐと何故か小さい頃のことを思い出す。

家のブロック塀のようなところに登って母に

「今、ここからジャンプします。見て。」

と言って顔面から着地してしまったこと。

その日から自分の身長より高いところに登ってはいけないというお達しがでたこと。

色々思い出しつつ秋(仮)を満喫した。

 

なんだかとても暑苦しい日記になったので最後に涼しげな写真を貼ってごまかすことにする。

 

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 祇園NITIのかき氷。

なつい

ツイッター貼り付けできるのおもしろいですね。

冬にサイダー

インフルエンザにかかってしまい、ここ数日間ほとんどベッドの中で過ごしていました。

今朝起きたら随分とよくなっていて、平熱に戻っていたので久しぶりに外へ。

夕暮れ時の空の色がすごく綺麗で、思わず立ち止まってしばらく見てしまった。

写真にしてしまうと微妙に色合いが変わる気がして撮らなかったけど、色見本として切り取って保存しておきたい感じだった。

ごはんを食べに行って、帰りにサイダーを買ってもらい帰宅。

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普通のサイダーと思っていたら柚子の味がしてびっくりした。(ちゃんと見たら瓶に思いっきり柚子って書いてた…)

夢二の絵がとても可愛い。七夕の絵。

黒船屋と青い酒の次くらいに好き。

 

そういえば、マスオのリクエストでお寿司屋さんに行ったのだけど、なんだかよくわからないお寿司を頼んでいてぎょっとした。

ネバーエンディングストーリーにでてきそうな食べ物だった。

あとで聞いたらほたるイカのお寿司だったみたい。

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チーズフォンデュに続いて今度はチョコフォンデュに行ってきました。

ホテルオークラ集合だったのに、ロイヤルホテルだと思い込んでいて危なかった。

ホテル内のカフェに入るとさっそくチョコファウンテンが!!!

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ホワイトチョコのファウンテンは初めて見ました。

甘いにおいと、カレーのにおいがただよっていて変な感じでした。

(カレーはおそらくカフェ内で誰か注文していたのだと思われる)

この時点でも満足だったけど、フレンチトーストが出てきてさらに幸せでした。

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出し巻き卵のような見た目と食感でした。

つまらない感想だけどとてもおいしかったです。

家でも作ってみたい(参考:丸1日かけて、ホテルオークラ特製「フレンチトースト」を再現してみた)

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ファウンテンってどういう意味だろうと思って調べたら泉っていう意味なんですって。

チョコレートの泉!!!家に一台欲しい。眺めていたい。でも手入れめんどくさそう。

お昼に集合だったのに、気付けば外が薄暗くなるまで話をしていました。

恋愛の話を聞いていると、自分にもそんな風に思う時期があったなあと少しなつかしく感じたり、

単純にうらやましいというか聞いていて微笑ましい感じだった。

色々お店を調べてもらったり、予約してくださったさりーさん(id:sallymylove)に感謝。

 

地元の駅からバスに乗って帰ったのだけど、窓の一部分が紫外線防止用なのか黒いフィルムみたいなのが貼ってあった。

その窓から外の景色を見るといつもより仄暗くて怖かった。

怖いんだけど、見たことがある気がしてよくよく思い出したら夢の中に出てくる夜とよく似ていた。

起きてるのに夢の中の景色を見ている感じがして不思議だった。