お姉さんの本


大変贅沢な話だけど、最近本は本屋で新品を買うのがメインで、古本屋とか図書館や誰かから借りるということが少ない。
しかし、先日実家に帰ったら、兄の本が大量に部屋に置き去りにされて宝の持ち腐れ状態であったので、借りることにした。
兄の本棚を見たら、私が既に持ってる本なども結構あって今さらながら勿体無いなあ…と思ったり、趣味が一緒であることが少し嬉しく思ったり。

今、スプートニクの恋人を読んでいる。
読みすすめている途中で、本からものすごい実家の匂い。
学生の頃、私が本を貸すと「○○の家の匂いがした!」と言われたことを思い出す。
それがわかるようになった不思議さ、悲しさ。


本の匂いといえば、ゆみちゃんという頻繁に本を貸してくれる子がいた。
ゆみちゃんから借りる本もまた、ゆみちゃんの家の匂いと香水の匂いがした。
香水の匂いはするのとしないのとがあって、ゆみちゃんいわく「香水の匂いするのはお姉ちゃんの本やねん」とのこと。
なので、読みながら、ああこれはお姉さんの本かなとか思っていた。
ゆみちゃんの貸してくれた本は良いものが多くて、後々自分でも購入したんだけど、
今でもその本を開くと、ゆみちゃんから借りた本の匂いをありありと思い出せるので、匂いの記憶ってすごいなと思う。