桜のこと

気付けば桜の季節も目の前を通り過ぎてしまった。
今年はきちんと桜見ていないなあ。
と思ったけれど、よくよく考えれば桜はいろいろな所できちんと咲いていたし、立ち止まって少し眺める程度の鑑賞はしたはずだった。
一体どれくらいの間、桜を見ればお花見というか、桜見たわあ、という手応え的なものが掴めるんだろう。
今年一番長く桜を眺めていたのは、先日もえみきと会った時。
木屋町三条大橋付近の立派な桜を二人で見た。
とても桜は綺麗だったけれど、今ではぼんやりとしか思い出せず、桜を見ている時にふと目にした「フォアグラ屋」という看板が「なんか歌舞伎の屋号みたいだよね。」と笑いながら言った彼女の顔の方がよっぽど印象に残っているんだった。
あと、会社の前に咲いていた桜はほぼ毎日見ていた。
早咲きの種類っぽかったので咲いた時は「もう!?」と驚いたけど、散るのもその分早くてなんだか残念だった。
会社の前の桜はくっきりとピンクで艶やかだった。
それをじっと見ていると、何故だか突然、坊主めくりがしたくなった。
桜の木が何故そんな気持ちにさせたのか、そのからくりはわからないけれど、その時は無性にそんなことを思った。
坊主めくりといえば、親戚と坊主めくりをする時、蝉丸が出たら「蝉丸の踊り」と名付けた謎の踊りをしなければいけないというルールがあった。
あれは一体誰が作ったルールなんだろうなあ。
そんなどうでも良い思い出に着地したけれど、とりあえず来年はもっとじっくりと桜を鑑賞したいと思う。
(今年も頑張ればまだチャンスはたくさんあるのだろうけど。)